わきが(腋臭症)切開剪除手術/にしやま形成外科皮フ科クリニック(名古屋栄3丁目)
2019-05-21
ワキガの切開剪除手術(皮弁法)にこだわりを持って
「手術経験の豊富なベテラン院長西山 智広(形成外科専門医)」
が責任を持って治療を行います。
にしやま形成外科皮フ科クリニックでは、
2022年度に健康保険適応の腋臭症皮弁法を106名の患者様に片脇ずつの計212回の手術を行いました。
手術された方々の内訳は男性が43名、女性が63名で
年齢層は10代が15名、20代が50名、30代が25名、40代が9名、50代が6名、60代が1名
となります。
ワキガを根本的に治すには切開剪除手術(皮弁法)により皮膚裏面から丁寧に汗腺を取り除く以外に方法はありません。当クリニックでは直接目で確かめながら、確実にアポクリン腺を除去するため、通常、術後の再発等の心配はなく、汗の量も少なくなります。
ワキガの悩みは深刻、片側ずつ手術するから合併症が少ないメリット
ワキガは、片側ずつ保険診療で治療するからこそ確実な治療となります。
両側同時の場合には、安静度が保てず術後合併症のリスクが高まるデメリットがあります。片側ずつの方が、生活の制限が非常に少なく仕事に影響しにくいのも特徴です。反対側は2週間後に手術が出来ます。
ワキガは保険適用で治療が可能
実は、ワキガは腋臭症(えきしゅうしょう)という診断病名で認められている病気なのです。 したがって、 医師の診察によりワキガの手術は保険適用可能な手術となります。
わきが(腋臭症)の原因
わ きの皮膚には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺という二種類の汗腺があります。エクリン汗腺は全身にありますが、アポクリン汗腺はワキの下、乳 輪、 陰部、 外耳道、臍などにしかありません。エクリン汗の成分は、99%が水分ですが、アポクリン汗には、タンパク質、アンモニア、鉄分、脂質、脂肪酸など、臭いの 元となる物質が含まれています。このアポクリン汗が、皮膚の細菌などによって分解されると臭いを発するもととなります。これが「わきが」なのです。
【エクリン汗腺】
全身の皮膚に分布し直接皮膚表面に汗を分泌しています。運動や病気などで体温が上昇した時に分泌され、体温を調節します。精神的 に緊張した時にこの汗腺より特に多くの発汗が起こります。成分の98%以上が水分なので、それ自体にはそれほど臭いがありません。
通常よりも量が多い場合は「多汗症」と呼ばれます。「多汗症」は、学校の試験や仕事中、人前で話す時など緊張した時に汗をかきますので衣装に汗じみができたりします。
【アポクリン汗腺】
脇の下、耳の中、陰部、肛門周囲などに密集しています。汗には、脂肪分や蛋白質、糖、鉄、アンモニアがふくまれています。皮膚表面、毛についている細菌に よって分解され独特の臭いを生じます。汗が多い場合には、汗の蒸発により臭いも拡がるので症状が増悪します。衣装の黄ばみの原因にもなります。
このような方にお勧めします。
- ワキの臭いが気になる
- ワキの黄ばみが気になる
- ワキ汗が気になる
- 親からの遺伝がある
- ワキの臭いを家族・職場で指摘された
ワキガ(腋臭症)の遺伝についてについて
統計的には、欧米人の方は約8割がワキガの体質。 日本人の場合には欧米人に比べ非常に少なく、約1割程度。 ワキガ体質が東洋人に少ないのは、もちろん遺伝によるものです。 片親に症状があると約半分、両親にあると約8割のお子さんに遺伝します。
手術方法について
局所麻酔による40分程度の手術です。
手術の実際について
ワキの毛の生えている部分から外側約1cmの範囲に皮膚の剥離範囲のマーキングを行います。
30G という細い注射針を使用して痛みを最小限に抑えながら局所麻酔を行います。この麻酔によりその後手術中には痛みを感じることはありません。ワキの中央部に約4cmのシワに沿った切開線から皮弁を剥離していきます。
皮膚の裏側から汗腺をハサミにて丁寧に取り除きます。
創内の止血と汗腺がキレイに取り除かれているかの確認を行います。
2本のドレーンを挿入した後、切開部分を形成外科的に縫合します。
こぶし大の大きさのガーゼをわきの下に挟み込み伸縮テープにて圧迫固定を行います。
わきが(腋臭症)切開剪除法については、カウンセリングを大切に
1:カウンセリング
患者様の気になる部位についてご要望を詳しくヒアリングし、丁寧に診察を行ったうえで、手術前血液検査・血圧測定・手術日及び通院日程などを決めていきます。日帰り手術の決定が決まりましたら、手術同意書のお渡しと、手術についてオリエンテーション(説明)を行います。
2:手術前日は、普段通りのお食事を取っていただいても構いませんが、飲酒は出来るだけ控えていただく方がいいです。 手術に備えて、早めの就寝を心がけてください。
3:手術当日朝は、腋毛の剃毛処理を行って頂き、手術の同意書など必要な物をもって来院下さい。服装は、タンクトップTシャツやノースリーブに上から羽織るパーカーなどが良いでしょう。来院にはお付き添いの方と一緒に来ていただいても大丈夫です。
4:手術当日は、手術3時間前より絶飲食とさせて頂きます。 基礎疾患でお薬を飲まれている場合には、少量の水で服用して下さい(血液凝固阻止剤等の内服は、医師の指示に従ってください)。 手術室には、貴金属類は外して入室して頂く必要があります。手術着に着替えていただき、血圧・脈拍・酸素飽和度など体調管理のモニターを行いながら約30分程度の局所麻酔による手術を行います。
5:手術が終わりましたら20分程休憩の後、痛み止め、化膿止めなどいくつかの薬をお出し、お会計(お会計は現金のみとなります。)を行います。
6:アフターケア:翌日から創部の処置、ドレーン抜去、ばい菌感染の有無、血種・漿液腫の有無などのチェックを5日程度行います。術後5日目に皮膚を縫合している糸を抜糸し、スキントーンテープで創固定を行います(皮下縫合の糸は抜糸を行いません)。リザベンや漢方薬でキズアトのフォローアップや再発の有無などのチェックを約6か月間行います。
わきが(腋臭症)切開剪除法術後6カ月の状態です。
わきが(腋臭症)切開剪除法の症例一覧
わきが(腋臭症)切開剪除法の料金について
わきが(腋臭症)切開剪除法の合併症やリスクなどについて
1.術後の痛み:手術後、局所麻酔は約30分ぐらいで切れてきますので、その後から軽い痛みを伴うことがあります。もし、痛みが気になるようでしたら我慢することなく痛み止めをお飲みください。痛み止めは1錠服用しましたら、次の服用までに3時間以上は間隔をあけてください。
2.出血:手術創の大きさを考慮しながら、シリコン製のドレーンと呼ばれる管を留置しているためガーゼが少し滲む程度の出血は認められます。ドレーンは、創部の皮下に血液が溜まらないように排出させる目的で使用します。この管は、血液の排出状態により翌日ないし翌々日に抜去します。(ドレーンを使用しない場合もあります。)
3.血腫:術後から抜糸までの間に手術創の中に血液の固まり(血腫)ができることがあります。このような場合には、局所麻酔を行い、出血部位の止血と血腫の洗浄を行います。その後、再度創の縫合とドレーーンを留置しガーゼで圧迫を行います。この時点から順調に経過すれば抜糸まではさらに5日必要になります。
4.感染:創部にばい菌が入り感染を起こすと痛みと膿が出てきます。このような場合には、医療用の生理食塩水を使用して創部とばい菌に溜まっている部分を毎日洗浄して清潔を保ちます。感染の消退には、一週間程度必要な場合もあります。
5.漿液腫:手術後2週間ぐらいまでの間に、手術創の中に自分の体液(黄色い液)が溜まることがあります。このような場合には、再度シリコンドレーンを貯留している部分に挿入し排液が止まるまでガーゼによる圧迫を行います。
6.皮膚壊死:血腫・感染・漿液腫などの結果としての皮膚壊死を認めることがあります。皮膚壊死の状況に応じて必要な処置を追加していきます。
7.ケロイド・肥厚性瘢痕:体質による個人差や手術部位によって、手術後2~6ケ月の間は手術創の赤みや硬結・色素沈着などを生じます。これらの症状は、リザベンや漢方薬の内服により、徐々に改善しますが手術による線状瘢痕は残ります。ケロイドについては、さらにケナコルト局所注射や外用薬などを追加した治療が必要となります。形成外科では、この線状瘢痕をシワのラインに残すことでよりできる限り目立ちにくくすることを考慮して治療をしています。
8.粉瘤:手術後に粉瘤ができることがあります。